先日、ある店舗でBGM用のスピーカーのセッティングをしました。
知っていればそれ程難しいものではないんですが、全く音響機器に触れたことがない人にとっては、少し難しいのかな?と思ったので、折角なので、先日セッティングした内容をもとに、素人の方でも分かるよう、解説できたらなと思います。
セッティングといっても、天井への埋め込みは、施工業者さんに頼むのが前提です。
BOSE DS16F を使った店舗スピーカーの設置方法について。
どんなスピーカーがいいのか?
Cafeだったり、アパレルショップだったり、店舗の雰囲気作りの為には、音楽は絶対に外せない要素です。そんな時、店内にスピーカーを設置しなくてはいけません。
店舗の広さ、かけられる予算によって、選択肢は様々あると思います。そこまで広くない店舗の場合(カウンターだけのバーやCafeとか)、もしかしたらアンプ内蔵のCD&データープレイヤーのみで、完結する場合もあります。下記の様なプレイヤーです。
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iPhoneやiPadとBluetoothで接続し、かけたい曲をiTunesで再生するだけで、スピーカーから音がでます。シャッフルモードにしておけば、放ったらかしでも問題ないでしょう。
これで十分!!という方は、上記の様なプレイヤーを購入し、好きな音楽を好きな空間で楽しんでください。
しかしながら、上記のようなスピーカーだと、店内の位置によって聴こえ方がバラバラになってしまいます。
当たり前といえば当たり前ですが、ある席ではスピーカーとの距離が近くて大きく聴こえすぎる、しかしある席では、スピーカーとの距離が遠くて聴こえない。
個室で仕切られている様な店舗では、確実にこのスピーカーでは厳しいと思います。ノイズの多い店舗では音圧レベルも足りないと思います。
そういった状況では困る!という方は、よく店舗のBGM再生用に使われる天井埋め込みのスピーカーがいいのではないでしょうか。
シーリングスピーカーとも言われ、音の方向感を出さない、分散型のスピーカーです。
スピーカー設置間隔は音圧にムラが生じないよう、室内を均一にカバーできるように配慮しましょう。
今回設置したスピーカーは、トップ画にもしているBOSE DS16Fです。もちろん、これ以外の製品もありますが、多くの店舗さんで使用されているスタンダードスピーカーだと言えると思います。
こちらのスピーカーを元に説明していきます。
店舗の広さ、BGMの重要性など、お店のコンセプトにあった選択をしてくださいね。
パッシブスピーカー、アクティブスピーカーの違い
『よしよしわかった、店舗ではBOSE DS16Fを購入して施工業者さんに頼めば完成なんだな!!』というと、そうではないんですね、、ここが少しややこしい。BOSE DS16Fを購入しただけでは残念ながら音はでません。
BOSE DS16Fというのは、パッシブ型スピーカーといわれる種類で、スピーカー内部にアンプ(増幅器)と呼ばれる回路が内蔵されていないスピーカーです。
ですから、音を出す為には、外部アンプが必要になります。BOSE DS16Fとアンプをスピーカーケーブルで繋ぐことで、初めて音が出る状態になります。
また、上で紹介したBluetoothスピーカーは、スピーカーにアンプが内蔵されているので、プレイボタンを押すだけで音がでるというわけです。
では、どんなアンプがいいのか?
今回私が導入したのは、ONKYO AVレシーバー TX-SR343(B)
というパワーアンプでした。
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BOSE DS16Fのスピーカーを4つ設置予定だったので、まずは、4チャンネル以上の入力があることが絶対条件です(ローインピーダンスで接続する前提だったので)。
また、再生機(今回は、iPod Touchでした。)をアンプ近くに置けなかったので、Bluetoothは必要機能でした。
あとは、予算が決まっていたので、価格的にも問題なかったというのが大きかったです。たしか購入したときは3万円きってたと思います。
ちょっとサイズ的に大きいところが難点かな〜でも、これぐらいどっしりしてた方がオーディオ機器としての存在感はありますけどね。
他にも、Bluetooth機能は別売りですが、ヤマハ プリメインアンプ A-S301(S)
とかもいいんじゃないかな〜と思います。
どこにスピーカーケーブルを接続するのか?
上図は、ONKYO TX-SR343の裏面です。今回は、スピーカーが4台だったので、向かって右からSP1、SP2、SP3、SP4と接続しました。
よく見ると、端子のところに『プラス』と『マイナス』の表記があるかと思います。スピーカーケーブルには、プラスとマイナスの二本があります。
基本的に施工業者さんが、スピーカーケーブルをアンプを置くところまで、引き回してくれます。
どちらのケーブルがプラスで、どちらのケーブルがマイナスかを業者さんに直接聞ければ聞いちゃっていいと思いますが、ほとんどの場合、プラスのケーブルは色がついていて、赤色とか青色のケーブルが多いです、反対にマイナスのケーブルは、透明だったり、白色だったりが多いです。
絶対ではないので、頭の片隅に置いとくぐらいで大丈夫です。たまに業者さんが逆で繋いでいる場合もあるので、接続して音がでなかったら、プラス、マイナス逆に接続しなおして確認しましょう。
ローインピーダンス、ハイインピーダンスについて
アンプを選択する上で、決めておかなくてはいけないのがスピーカとの接続をローインピーダンス接続、ハイインピーダンス接続どちらで接続するのかです。
BOSE DS16Fのスピーカーは、ローインピーダンス接続、ハイインピーダンス接続どちらにも対応しています。
パワーアンプのONKYOのTX-SR343は確かローインピーダンスにしか対応していなかったように思います、、違ってたらすみません。
ローインピーダンス接続、ハイインピーダンス接続ってなんやねん??という方は多いと思いますが、私も一言で説明しろといわれると困ってしまいますが、ここでは超ざっくり説明します。具体的に知りたい方は、専門書や情報サイトで確認してください。
インピーダンスとは、「電流を流れにくくする力」を意味します。インピーダンスは交流電流に対する『抵抗』いわゆるオームです。
ハイインピーダンス接続すると何がいいのか?簡単に言うと少ない電流で、多数のスピーカーをならすことができます。
また、長距離接続にも力を発揮します。ですので、パワーアンプとスピーカーとの距離が長い場合は、ハイインピーダンス接続をする必要があります。
用途としては、学校や駅、ショッピングセンター、など広い範囲に伝送する必要があり、多くのスピーカーを使用する場合に向いています。
その場合、ハイインピーダンス接続に対応しているパワーアンプを選ばなくてはいけません。
今回は、店舗でのBGMを流す前提に話をしているので、ローインピーダンス接続で大丈夫です。
基本的にパワーアンプのチャンネルごとに1台ずつスピーカーを接続するので、使用するスピーカーの数に合わせて必要な入力チャンネルを持ち合わせているパワーアンプを選んでください。
BOSE DS16Fには、伝送方式切り替えるスイッチがついています。ですので、施工業者さんに前もって、ローインピーダンス接続でアンプと接続することを伝えておいて、8Ωのメモリのところにスイッチを合わせてもらってください。
・BOSE DS16Fの取説
http://probose.jp/wp-content/uploads/2015/03/ds16f_manual.pdf
まとめ
細かい話をしだすとまだまだありますが、一先ずこんなところだと思います。
店舗作りにとって、音楽はとても重要な要素の一つだと思います。音の環境によって、店舗の雰囲気も変わってしまいます。
店舗作り、特に店内音響にお困りの方にとって、本スレッドが少しでも役にたったら幸いです。
■今回設置した店舗情報
面積:約15坪
高さ:約3M
アンプから一番遠いスピーカー距離:約15m