現在国立新美術館で開催中の企画展「宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる蔡國強 」に行ってきた。
蔡國強さんについては、火薬を使用したインスタレーション作品で有名なアーティストという認識はあったが、実際に作品を間近で見るのは今回が初めてだった。
火薬はあくまで手段であり、蔡さんの中で何を思想的テーマにしているのかな?と前々から気にはなっていた。
そんな中、幸いにも本企画展では、蔡國強本人が記した日記と共に、作家として歩んできた道のりを遡り時系列で展示してくれていた。
蔡國強さんの出発点となった企画展「原初火球」。
作品をどこまでコントロールしているのか?という事がとても気になった。
火薬をモチーフにしている時点で偶発性は織り込み済みだと思うけど、ただ爆発させれば良いということでもないだろうし、作品作りのテーマとなっている「宇宙と見えない世界との対話」が何に影響を与えているのかを聞いてみたい。手法なのか、色彩なのか、心持ちなのか。
歳を重ねると感覚が日々変化する中で、大元のテーマは変化していかないのか?紆余曲折して改めて「宇宙と見えない世界との対話」に帰結したのか、一度企画展に行っただけではわからない。よし、画集を買うか!となっている。
もっともっと掘り下げてみたくなった。蔡國強さんについてはもちろんだが、今まで横展開してきた思考?感覚?をそろそろこの歳になって縦展開していきたくなっている。
横に広げた中で心を奪われたもの、今後のめり込みそうなものを縦に掘り下げたり、昇華したりしたい。
そんな思いにさせてくれた展示だった。
展示情報
展示名 | 蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる |
会場 | 国立新美術館 |
開催期間 | 2023年6月29日(木) ~ 2023年8月21日(月) |