いつまでもあこがれのVESTAX。

vestax

失ってはじめてその大切さに気付く事はよくあること。

大切なものはずっと続く、ずっと存在すると自分の都合のいいように解釈してしまう事が、失ってからその大切さに気付く原因なのかもしれません。

先日「DJブランドVESTAX破産」というニュースが大々的に流れました。

私だけではなく、多くのDJたちにとって大切な存在だったベスタクス。勝手にいつまでも続いていくものだと思い込んでいました。

非常に残念な気持ちと、DJ業界を憂う気持ちとで、とても複雑な心境です。

ブランドとして完全になくなったわけではないようですが、営業停止していることは事実なので、今はただベスタクスに感謝を伝えたく、本記事を書こうと思いました。

ベスタクスとのはじめての出会いは、確か16歳か17歳頃だったと思います。名古屋の大須にあるアメ横内に当時入っていた機材屋で、pmc-06 proを購入したのが切っ掛けでした。

vestax-pmc-06-pro

その時はまだ、テクニクスのターンテーブルを一台だけしか手に入れられていない状況で、どうやらDJをする為にはミキサーというものが必要らしい!といった素人丸出しの知識しかありませんでした。

当時は、機材の単価も高かったので、ターンテーブルを一台ずつしか買えなかったり、ミキサー1台にターンテーブル1台をつないで、片方だけで練習していた奴もいっぱいいたように記憶しています。

そして、ミキサーを探しに機材屋へ行ったんですが、特にDJについての知識も浅かったので、どこのミキサーがいいだとか、フェーダーの切れ味がどうだとか、全くわからない状態でした。そんな中、一際目立っていたミキサーがpmc-06 proでした。

とにかく16歳の自分にとって、「このミキサーめちゃめちゃかっこいい!!」と感動したのを今でも鮮明に覚えています。ただ、16歳にとっては、手の届かない金額で、一生懸命バイトして貯めたけど、購入するには後5000円ぐらい足りませんでした。

どうしても諦めきれずに、何度もお店に通いました。その都度値段交渉…笑 たぶん、5回ぐらいはお店に通ったと思います。流石にお店の人も「こいつマジでしつこいな…」となったようで、最終的には5000円分値引きしてくれました!!

今思うと、本当に迷惑なガキだったと思います笑 それでも、私の思いを汲んでくれた当時の店員さんには、本当に感謝しています。

それから十数年が経ちましたが、pmc-06 proは今でも我が家でターンテーブル達に挟まれ、ノイズ一つ出さず、名曲と名曲の足し算に力を貸してくれています。

十代半ばで、ベスタクスという最高にかっこいい機材に出会い、DJを始め、その後社会にでて、DJ機材を販売する会社で働き始め、今度はベスタクスというかっこいい機材を作っている「かっこいい人々」に出会いました。

当時、興奮してベスタクスのミキサーを購入した自分に伝えてやりたいです。『そのミキサーを作った会社の人達と数年後仕事をする事になるんだぞ!』って。まぁ当時の自分は、そんなこと信じないと思いますけどね。笑

ベスタクスのスタッフの皆さんの印象は、機材に対しての拘り、思いが非常に強い人達の集まりだったなと思います。皆さん音楽に対してとても純粋で、一緒に何かを作っていきたいと思わせてくれる情熱があったように感じます。

フリーランスになってからも、ベスタクスさんとは何度か一緒にセミナーを開催させて頂いたり、機材についての相談にのって頂いたり、様々な場面で助けて頂きました。ビジネスライクな人間関係ではなく、公私ともにサポートして頂いた事、本当に感謝しています。

今後、ベスタクスがどういった軌跡を辿っていくかはわかりませんが、私にとってはいつまでもあこがれのブランドであり続ける事は確かです。

ベスタクスのユーザーにとって、商品の保証、修理対応について非常に気になるイシューだと思いますが、OTAIRECORDで製品保証、修理対応を受け付けると明言しているので、しばらくは心配する事もないのかなと思います。

OTAIRECORDからお客様へのご案内 「VESTAXに関する報道について及び保証・御修理対応について」のご案内です。

少し話はそれますが、今週日曜日に衆議院選挙が行われます。いとうせいこうさんがTwitterで流していた言葉が、頭から離れません。

いとうせいこう

そう。文化(音楽)表現が必要な時は今なのかもしれません。もちろん、音楽がもたらす影響がいい事ばかりでは無いのは十分承知しています。時には、戦歌のように戦争を賞賛する、人を戦争に駆り立てる音楽があるのも確かです。

それは別としても、文化で止める、抗うことは音楽に関わる人間の尊厳だと思うんです。

一つの文化がたとえ消えたとしても、自分たちの尊厳を守るため、また新たな文化を創造していくしかないのだと思います。

今まで文化を築き上げてきた方々に敬意をはらい、たとえそのバトンを継続できなかったとしても、そこで立ち止まるのではなく、また新しい文化創造に挑戦していく。

その繰り返しなのではないでしょうか。

長くなりましたが、多くの方々がベスタクスに対して、様々な思い入れがあるかと思います。できれば、これを読んでくださった方々の思いも聞いてみたいなと思います。

もし、可能であれば皆さんの思いをコメント頂けますと幸いです。もしかしたら、関係者の方々の目に触れる事もあるかもしれません。。

私の人生に彩りを与えてくれたベスタクスに、I can’t thank you enough!!

いつまでもあこがれのVESTAX。” へのコメントが 2 点あります

  1. パコで、その昔店長をしていました。全くの突然のことで寂しいかぎりです。何も出来ず。昔の仲間の幸せを祈ります。

    • >hiro4692
      初めまして、コメントありがとうございました。パコにいらっしゃったんですね。パコが無くなったあたりで東京出てきたので、結局行けずじまいで非常に残念な思い出がありました。

      なんだか椎野さんのブログでベスタクスを復活されるとの内容も見たので、またベスタクス隆盛期を再建して欲しいなと期待しています。

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