8月15日終戦記念に戦争映画「野火」をみた。
体調がすぐれなかったので、やさしい映画でもみてリラックスしようと思っていたのだが、全く対照的な作品を選んでしまい、最初は後悔したのだが「あ〜これだこれ」と途中から塚本晋也監督の世界観に心酔した。
舞台は、太平洋戦争終盤のフィリピンレイテ島決戦。劣勢に立たされている日本軍にとって、日本本土を防衛する為には絶対に死守しなければいけない決戦だった。
しかし、700隻のアメリカ軍艦船が、レイテ島の東海岸に向けて一斉に艦砲射撃、それが終わると日本軍の3倍といわれるアメリカ兵の上陸作戦が始まった。本土から一切の物資の補給も無いまま戦い続ける日本軍。戦争で戦うという前に、何を食べて生きていくのかといった悲惨な状況下だったという。
レイテ島の住民の食料を奪い、時には戦没した仲間の肉を喰らって生き延びた兵士もいたという。この世の地獄だ。
映画では、1人の兵士が肺病を煩いながらも、極限の身体、精神状態と向き合いながら、地獄の戦場下を進んでいく。塚本晋也さんの演技はもちろんだが、リリーフランキーさん、中村達也さん、森優作さんの存在感は、一見の価値はある。
はっきり言って、ほとんどの描写がリアルすぎて、心臓の悪い方は見ない方がいい。しかし、「正しい戦争なんてない」と思うには、十分すぎるほど説得力がある。戦争なんて、映画の中だけでたくさんだ。
「野火」をみることで、戦争について、日本について、誰かと語らい合うこと、それが必要なんじゃないかなと。
ここ数年で見た映画の中で、1番重要な映画だと思います。
「 野火 」 予告編。
「 野火 」関連。