【おすすめ小説】伊坂 幸太郎 「魔王」

isaka

最近読んだ小説に、今の国内政治を予見している様な本に出会いました。
伊坂 幸太郎さんの「魔王」。

「とにかく時代は変わりつつある。」ボブ・ディラン

英国のEU脱退で世間を賑わしてますね。
そんなニュースの裏側で、ここ日本でも7月に大きな転換期を迎えます。

7月10日の参議院議員選挙。

選挙権年齢の引き下げがあり、18歳以上が対象者となる本選挙。
それも一つのトピックではあるんですが、今回の選挙は、憲法改正選挙とも言われ、改憲派が憲法改正発議に必要な「3分の2」以上の議席を獲得すると、間違いなく憲法改正が実行されます。

自衛隊のあり方、個人の尊厳の削除など、ちょっと薄気味悪い感じがありますね、、。

さて、この本では、自分が念じた言葉を、特定の人間に喋らせることができる不思議な力を持った会社員「安藤」という男と、イタリアファシズム党のムッソリーニを彷彿させる政治家の「犬飼」という男との間で生まれるストーリー。

アメリカや中国といった大国に対して常に弱腰な政治家たちに嫌気がさしていた国民の前に、1人の政治家「犬飼」が現れる。相手が誰であろうとモノが言える政治家「犬飼」は、政治家としての強い志と行動力、多くの人を引きつけるカリスマ性を持っていた。犬飼は、次第に多くの国民に指示されるようになる、、。

「安藤」は、この状況にすべての意思がある方向に統一されるかのような不自然さを覚えた。ムッソリーニと多くの共通項を持つ「犬飼」。これはファシズム支配の予兆ではないのか?と危惧するようになる。基本的に、政治に無関心、他力本願で雰囲気に流されやすい現代の日本人は、強い意志と影響力を持ったリーダーが現れたら、簡単にある方向へと誘導できてしまうのではないのか?
自分に何かできないかと「安藤」は、必至に考え、行動する、、。

続きは、読んでくださいっ笑
Amazonレビューみていると消化不良といった意見も多いけど、個人的には消化不良でいいと思ってます。何故かというと、おそらくこの本の主題は「考えろ」だから。作中の犬飼の言葉に「雰囲気に流されるな、検索するのではなく、思索しろ。」って言葉があって、この本はそれを伝えたかったのかな?と思ったりした。

何も考えず、大きな流れに身を任せているだけでは、気付いたら取り返しのつかない事になっている。決して大きな事をしろというわけで無く、身近な事からでも思索し、自分にとって他人にとってより良い方向性を思索する必要性を改めて考える切っ掛けとなりました。

作中でも、憲法改正についての国民投票が描かれている。
ここ日本でも今が大きな転換期。皆さんちゃんと思索して、選挙行きましょね。

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