これだけ景気が悪いのになぜ音楽にこだわるのか…。

music

う〜ん、本当に景気回復してるのか?と思うぐらい、音楽業界は景気が悪い。

一部のアゲアゲ系フェスとか見てると、一見景気が良さそうに見えるかもしれないけど、今のところ一過性の盛り上がりにしか思えないし、文化となりしっかりとした下地ができるまでには、まだまだ時間がかかるように思う。

景気が悪くなった原因として、音楽のデータ化、作曲ツールやDJツールの安価化などなど、様々な理由が入り混じり合いながら今の状況が形成されてきた。

「そんなに景気が悪いなら、やめればいいじゃん!?」といった声も聞こえてきそうだが、音楽から離れられない、離れたくない理由が、個々にあるのだと思う。

死ぬまで音楽に関わって行きたい!と思う私の動機要因はいったい何だろう??と最近考える事があって、この記事を書こうと思った。

私の場合、音楽が純粋に楽しいからという理由以外に、決して忘れられない体験がある。

こう見えて私は(見た目、文科系)幼少期から、高校生までずっとサッカーをやっていた。自分でいうのもどうかと思うが、結構上手だった。その証拠に高校進学時、スポーツ推薦で地元のサッカー名門校に入学している。

それまでの私は、サッカー漬けの毎日で、本当にサッカーしか知らなかった。もちろん将来は、その道で飯を食って行こうと本気で考えていた。

意気揚々と高校サッカーに臨んだわけだが、そこは予想以上に大変な場所だった。練習がきつかったとか、実力不足だったとかではなく、人間関係が本当に大変で、毎日が戦いだった。

笑えるぐらいコーチ陣と反りが合わず、いつもケンカ腰…今となっては自分が若かったな〜とか、根性無かったな〜とか思うけど、当時は本当にきつかった。

そんな調子で1年と数ヶ月が経った時、練習中、心の中で何かが折れた瞬間があった。その次の日から、練習には参加することができなくなり(精神的に拒否反応)そのまま2年の途中で退部した。

部活をやめる事、サッカーから離れる事でやっと楽になれると思っていたが、そうそう人生甘くない。

むしろ辞めてからが地獄の始まりだった。笑

まず、スポーツで入学している以上、部活を辞める事自体が御法度。学校にいるだけで何か気まずいし、出身中学校にも気まずい。私立高校の為、高い学費を払ってくれている両親にも申し訳が立たない。しかも、サッカーしかやってこなかった自分にとって、辞めるという選択は「無」になるということを意味した。

自尊心が崩壊し、頭の中は自己否定的な考えに支配され、少し大げさかもしれないけど、毎日生きるだけで精一杯だった。

何とか正気を保つ為、気を紛らわせようと、とりあえず外を歩きまくった。あまり覚えていないけど、毎日1時間ぐらい意味も無く近所をブラブラしてたように思う。

そんなある日、散歩中地元の先輩と偶然会った。

その先輩は、背中にギターケースを抱えていて、これからスタジオにバンドの練習に行く途中だった。先輩に「お前暇だったら見にくるか?」と言われて、何とは無しに「暇なんで行きます。」と答えた。

この出来事が、音楽と出会った最初の切っ掛けだった。

それまで、楽器に触れた事も無ければ、スピーカーから大音量で音楽を聴くことも初めてだった。初めて聴く生ギターの音色の美しさに驚いたり、音圧で体が振動する心地よさに心から感動した。

「見つけた!」と直感的に思ったし、何よりも何とか生きて行けるかもしれないと安堵したのを鮮明に覚えている。

その後、先輩たちにギターを教わり、半年後ぐらいには人前で演奏していた。お世辞にも上手いとは言えなかったと思うけど、最高に気持ちよかった。

その時、自分に音楽の楽しさを教えてくれた先輩達には本当に感謝している。

それから、1年後ぐらいにDJという文化に触れて、2回目の「見つけた!」を体験する事になる。

学生時代もどっぷり音楽漬け。クラブ活動ではなく、Club活動に励み、ここでいち早くオトナ社会を学んだ。

その後、紆余曲折を経て、何とか今も音楽に関わりながら生活ができている。

私にとって、音楽に関わって行く事=音楽への恩返しといった意味合いがすごく強い。

もちろん、慈善事業ではないのでビジネスとして割り切らないと行けない場面は多くあるが、根本には、自分の様に音楽によって人生が好転したというケースを1つでも多く作って行けたらと考えている。

正直、現状の私は、音楽に関わる仕事だけでは食って行けていない。やりたくない仕事もいっぱいしている。お恥ずかしい話だが、本当に厳しい時は日雇い労働する時もある。(日雇い労働の事を恥ずかしいと言っているのではなく、自分が決めた道で食べて行けていないことへの恥ずかしさです。)

それでも、自分が体感した音楽の力を、世の中の多くの人達と共有したい気持ちを諦める事ができない。

私にとって音楽業界に関わり続ける理由は、音楽への恩返し&音楽と出会う切っ掛け(場)を作り、誰かの人生に好転的影響を与える事である。

日々厳しい環境で、音楽業界に貢献している諸先輩方の背中を見て、いつも勇気とモチベーションを頂いています。業界に関わる方々の音楽への愛情が、多くの人達の人生を好転させると心から信じています。

若輩者ですが、少しでも誰かの人生に影響を与える事ができるよう、貢献していけたらと思っています。

まだまだこれからだ!!

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