パレスチナヒップホップ・ムーブメント『 自由と壁とヒップホップ 』。

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イスラエル建国によってユダヤ人、パレスチナアラブ人の間に生じた民族摩擦による紛争が絶えないパレスチナ地域。

この投稿をするにあたり、パレスチナについて色々調べましたが、問題が複雑すぎて軽々しく語れないな…といった状況です。
ただ、パレスチナ地域で暮らす人々の苦悩は容易に想像ができました。

このドキュメンタリーの撮影が行われていたのが2008年、ちょうどガザ紛争が勃発していた期間です。

2008年12月27日には、イスラエル空軍がガザ地区全土に大規模な空爆を開始し、2009年1月3日の地上侵攻までの死者は430人にのぼったとされています。

その後の地上侵攻も含めると、パレスチナ側では民間人を含む1300人以上が死亡・殺害されました。犠牲者の大多数は一般市民であり、特に死傷者の1/3は子供で、未成年の被害者が特段に多い紛争でした。(引用元:wikipedia)

常に死と隣り合わせの日々を送りながらも、非暴力の抵抗の形「HIPHOP」という武器を使い、占領と貧困、人種差別、世代間差別と多くの障害を乗り越えようとするリアルな若者達の姿がこのドキュメンタリーに収録されています。

元々HIPHOPには単なるトレンドとしての音楽では無く、「社会に対する反対行動の芸術」といった側面が色濃く存在しました。

あらゆる社会問題に対する鬱積した思いが強ければ強い程、HIPHOPの持つ力は解放され、多くの人々の意識に影響を与えることができる音楽だと思います。

パレスチナが抱える問題に共感を覚える事は現実的に不可能だとは思いますが、HIPHOPというフィルターを通す事で、共通した何かを発見する事ができるかもしれません。

映画情報

あらすじ

イスラエル領内のパレスチナ人地区で生まれた史上初のパレスチナ人ヒップホップ・グループ「DAM」 。

彼らは言葉を紡ぐ。占領と貧困、差別により生きる意味を見いだせない若者たちのために。パレスチナ人としての誇りを失いかけている多くの人たちのために。服役中の親を持ち、行き場のない子どもたちの前で夢を語り、社会的な制限や抑圧の多い女性たちに楽曲を提供し、ラッパーとして背中を押す。

DAMの音楽は国境、年齢、性別といった壁を越える。そして、彼らに影響を受けたガザ地区や西岸地区の若者たちもまたヒップホップを志す。自身のおかれた苦難に立ち向かい、本来手にすべき自由を獲得するために。

絶望的な状況をヒップホップのリズムに乗せ、歌うことは、これまで麻痺していた感情や思考を再び呼びさます。彼らの作り出す曲は、同じ境遇を生きる人々の大きな共感を呼び、熱狂を持って迎えられた。絶望から生まれた叫びが、多くの仲間たちの生きる希望に変わったのだ。

そんな彼らにDAMは最高のステージを用意する。各地で活躍するパレスチナ人ヒップホップ・グループを集めての音楽フェス。

しかし、お互いの居住地は分離壁や検問所により隔てられている。地理的、歴史的な断絶を音楽で補いあってきた彼ら。同じパレスチナ人として一緒に舞台に立ちたいという願いは、果たして叶うのか。

劇場情報

■会場
シアター・イメージフォーラム

■お問い合わせ先
TEL:03-5766-0114

■上映日
11月下旬

「自由と壁とヒップホップ」公式HP

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